制作ツール、アート系プログラミングの登場

インタラクティブ・アートを生み出すための道具を考察

さて、ここではインタラクティブ・アートについて述べているわけだが、そうした美術作品を作り出すにはどのような技能や技術、そして知識が必要なのかを考えてみたい。筆者も執筆する人間の端くれとして思うところはあるが、一重にこれがこうであると、そんな大それた事を伝えられるわけではない。ただ1ついえるのは、作成時に抱いている感情によって作品の性質は非常に左右されることだけは確実にいえる。例えばこういった作品を創りたい、もしくは創らなければならないといった状況になったとして、それを確実に表現できる保証は出来ないのだ。芸術作品の不完全さ、その一端でもあるわけだが、このことを考えると地図や設計図といった図面作成に関しては道筋は異なれど、終着地点が共通しているという数学的な理論は作品を作り出す人間としては、つまらないと感じることこそあれど、内心ありがたいと感じている所もあるだろう。

思うところこそ沢山あれど、コンピュータを用いる事は大前提としてもだ、インタラクティブ・アートなるものを創造する際には必ずパソコンに搭載されていなければならないのが『アート系プログラミング』を作成できるソフトという存在だ。プログラミングは良いとしても、その冒頭にアート系が付くとなればお分かりだろう。通常のプログラミングでは作成できない、芸術特性を有した作品作りに特化したシステム作成ツールが必要になってくる。プログラミングの行為そのものこそ芸術活動といっても問題ないが、プログラミングをするにしても内容によってはその性質が共通していることはない。アート系プログラミングは、通常のプログラミングにはない現代ならではの芸術を作り出す術であり、そして鍵となっている。


新技術のアート化、そして

インタラクティブ・アートというものを調べていくうちに思ったことは、普段から何気なく接している、または当たり前のように利用しているインターネットなどのサイトにおいて見受けられる技術もまた、そのジャンルの一端に分類できるのではないだろうかと感じられた。現代の最新技術が芸術活動に有効であるというのもちょっと想像しにくいが、とある美大の教授としてはこんな事を述べていたという。

・やがて生まれる新技術は、いずれアートへと進化する

とても意味深な言葉だ、この項目のテーマとしているアート系プログラミングというのと大きく関係しているのは言うまでもない。身近な具体例としてあげるなら、HTMLといったものもまたアートとして扱われている。webデザイナーと呼ばれる人々が職として生業を形成する事が出来ているのも、そうした技術がアートとして活かすことが出来るように進化したからこそ可能になった。初期の頃こそ1つの技術として概論しかなかったものの、そこから骨組みを組まれるように新しい技術と知識が備わっていく。先のインタラクティブ・アートという存在について述べた不完全さ、それは芸術作品を創造する技術などにも共通している性質である事が理解できるだろう。完成していないからこそ成長し、洗練された技術へと磨き上げられて、そして研ぎ澄まされたものにあるのは、芸術作品同様『美』だ。アート系プログラミングは、そんな本来の機能を格段に進化させることに成功しながらも、芸術作品を作り出すために必要な美しさを表現できるツールとして使用できる。

アート系プログラミングの書籍

アート系プログラミングと呼ばれる技術についてはこう言ってはなんだが、そこまで知名度を有している学問ではないだろう。むしろどういうことなのだろうと考えてしまう人が大半だと思う。聞き慣れていないのは重々承知だが、普段からインターネットなどのコンピュータを用いているならその技術を目の当たりにしているはずだ。普段から何気なく見ていても、知識として技術は知らない人が大半だろう。この機会に是非とも言葉だけでも覚えておいて貰いたいところだ。

さて、そんなアート系プログラミングを学ぶとしてもだ、実際にどのような技術があるところから探りを入れていかなければならない。調べるにしてもアート系プログラムとして調べるのではなく、インタラクティブ・アート・プログラミングという単語で調べると分かりやすいだろう。実際に発売されている書籍を少し取り上げながら、技術と概要、そして特徴について紹介していこう。

書籍名 概要 特徴
ジェネラティブ・アート -Processingによる実践ガイド アーティストのために作られた専用とも言えるプログラミング言語 『Prosessing』を学ぶことが出来る教本。教育ツールとしてシンプルに 設計されており、未経験者でも最初から利用しやすくなっている。 本書籍ではProcessingを用いて『ジェネラティブ・アート』という、生成的な視覚表現を創ることが出来るようになっており、論理的且つ機械的で正確な作品から、非論理的で有機的となっているカオスに満ちた世界観も作れるように解説している。
vvvvook -プロトタイピングのためのビジュアルプログラミング入門 vvvvという何でもツールについて、日本で初めて作られた入門解説書。 インタラクション・2D/3Dアニメーション・リアルタイムグラフィックス・オーディオビジュアルといったメディアコンテンツを作成する事が出来る。
Beyond Interaction [改訂第2版] - クリエイティブ・コーディングのためのopenFrameworks実践ガイド 2次元/3次元の図形線画はもちろん、アニメーションやサウンドの録音・収録などのマルチメディアコンテンツを制作するために必要な機能を利用できる『openFrameworks』について、 学ぶことが出来る。 プログラミングの初歩はもちろんのこと、実践的に使用する事が出来る応用手法まで、非常に分かりやすく解説している。
FORM+CODE -デザイン/アート/建築における、かたちとコード デザインやアート、建築分野において利用されているソフトウェアの利用の可能性について、歴史・理論・実践を総合的に紹介している。 デジタルデザインやメディアアートといった勉強をしようと考えている人にはうってつけの教本となっており、過去に発表された作品250点についてルーツと共に紹介している。