東京藝術大学の試み

Acidental Tools - 予測不可能な文房具 -

インタラクティブ・アートを学ぶ事は大学を良く調べてみれば学べる学課は多数存在している。先ほどは東京工芸大学をフィーチャーして紹介したが、他にも存在しているのでどこに行きたいと思うかは個人の意思で検討してもらいたい。大学でもこのインタラクティブ・アートについては力を注いでいるような印象をうかがい知れる。情報社会とかした現代だからこそ、美術としても、技術としてもそれに適応していかなければならない、そんな気概があるのかもしれない。無論紙と鉛筆、そして絵の具で描かれた伝統的な手法で作成された作品における価値に揺らぎはない、ただどうしてもそこにデジタル処理加工を施された作品と比べたら、どうしても見劣りしてしまうのは否めない。その点についてはコンピュータの正確無比な演算能力と、人間の職人技ともいえる技巧技術の違い、ということでまとめておこう。

こうした新しい芸術のジャンルとしてその知名度は年々上がり続けているといえる、また大学側としてもインタラクティブ・アートというものをもっと知ってもらいたいという思いから催しものを開催している事例もある。その一例として、芸術関係を学ぶ場としてはこの日本において最高峰と称しても問題ない東京藝術大学の大学院にある映像研究科が企画・開催している『Accident Tools- 予測不可能な文房具 -』というものがある。この催し物もまた芸術ジャンルにおけるインタラクティブ・アートの持っている可能性を最大限を体験することが出来る。

サムソン協力の元で

この催し物は東京藝術大学としてはもちろんだが、現在は日本においてスマートフォンという主力商材などで誰もがその名前を知っている『サムソン電子ジャパン株式会社』が、このオープンラボに協力体制として参加している。このイベントは参加者体験型となっているのだが、具体的にどのような体験をすることが出来るのかだが、このイベントにおいて用いるツールにはもちろん、日本でも使用している人が増えているスマートフォンといった電子機器を使用することになる。

もちろん目的意識があるからこそ開催しているわけだが、披露する研究成果の内容は年々変化している。今年度2014年に開催された発表では『Accident Tools- 予測不可能な文房具 -』というモノで、現代に当たり前のように普及しているスマートフォンの機能について研究している。スマートフォンが本格的に登場する前から、携帯電話が高機能化していったのは誰もが知るところだ。そんな中で登場したスマートフォンは日本で開発されたガラケー以上の高機能携帯として、今ではコンピュータと同様、もしくはそれ以上の性能を秘めているとまで言われている。ただそんなスマートフォンの機能を隙間なく、あらゆる機能を使いこなしているユーザーはどれだけいるのかと考えると、大した数は存在しないだろう。利用している人間は日本人口の既に半数を超えているかもしれないが、すべての機能を使いこなせる人の数はその中でも1割いればいいぐらいのはずだ。搭載されている高機能をどのように生かすも殺すも所有者次第だが、たいていの人は必要最低限のことで仕えていれば良いと、そんな風に考えているだろう。

電話やメールの機能はもちろん、財布として、定期として、そして手帳としても利用することはできているがそれでもまだ一部に過ぎないのだから、使いこなそうとしたらまずは何があるのかを調べるところから始めなければならない。その工程を面倒だから良いと片付けてしまっているだろう、そんな意識を逆手にとってこの催し事ではそんなスマホの機能を生かした使い方について、可能性を開こうとしている。


プロジェクトが示す、スマホの可能性

今年度はそんなスマホを使用したプログラミングに焦点を当てているという、以前別の記事でプログラミングアプリを利用することが出来るのを特集したことがあるのでやろうと思えば可能なのだ。コレについては専門的に職として活動している人しか興味はないだろう、そもそもプログラミングをしようという風に考える人も多くないと思う。

スマホを利用してプログラミング作業をするなど大抵は考えないが、逆に考えればそれができるという時点でハイスペックだということを改めて理解する。ただこうした性能はあくまで付加価値に過ぎないと考えると、もったいないと感じると個人的に考えてしまう。偶有した性能ではないにしてもプログラミングを始めとした、本来のスマホ利用法とは異なれどこんなこともできるという可能性を追求して行くことこそ、このプロジェクトの目的となっている。

発表内容について

当然研究した内容は発表しなければ意味がないため、催し事として昨年から開催されているわけだが、参加する場合には最初、専用のアプリが搭載されているスマホを貸し出しているので、そちらを利用することになる。当然だが、興味が沸いたからアプリが欲しいといっても研究成果によるものなので、そういう興味は引っ込めておこう。では本年度の開催では次のような体験をすることが出来る。

アフレコ・カメラ
アニメの背景を撮影することが出来るカメラで、実写にアニメを重ねるというのではなく、用意されたアニメに風景や人物を位置合わせしながら刷することが出来るアプリ。飛んで来るアニメの鳥を人の頭の上に止まらせる事が出来たり、コップにアニメの目を付けたりすることも出来る。
渋谷ARツアー
開催場所が渋谷ヒカリエとなっており、そこで受付をした後に渋谷をフィールドワークしながらアプリを体験することが出来るツアー形式となっている。AR(拡張現実感)の技術を用いており、映しこまれた映像の中に現実には見えない情報を可視化させる技術を体験できる。
渋谷ARツアー 市街版
こちらもまた渋谷を実際にフィールドワークしながらアプリを体験することが出来るツアーとなっており、街角に予め用意されているマーカーを読み取って、そこで表示されているメッセージ動画を読み解きながら、渋谷の街を歩いていく。

東京藝術大学が開催しているこの研究発表はとても興味深いところだ。芸術としてはもちろん、技術として、そしてスマホに秘められた普段使用する事のない機能についても、その無限とも言える可能性を知る事が出来る。時間と興味があれば一度は参加してみたいイベントなので、お勧めだ。